小学校受験の運動テストで頻出する課題の一つに「ボール投げ」があります。
ボール投げは普段からボールに触れているお子さんであれば少し練習すれば上手になるケースが多いですが、ボールをあまり使わないお子さんはできるようになるまで時間がかかることが多いです。
加えて、親御さんに球技の経験があれば教えやすい競技のひとつですが、もしボールを使ったスポーツのご経験がないのであれば、どんなふうに教えたらいいか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、ボール投げを教える時のポイントやコツについて、現役講師がわかりやすく解説していきます。
目次
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試験ではどんな「ボール投げ」が必要?
小学校受験のボール投げでは、ハンドボールを片手で遠くに投げる「遠投」や、子ども同士が向き合って下投げでボールをパスしながら左右に移動するなどの複雑な課題が出題されることがあります。
また、ある的に向かってボールを投げる「的あて」などをやらせる学校もあります。
ここで、有名私立小学校の一つとして知られている成蹊小学校で過去に出題された実際のボール投げの課題をご紹介します。
<2019>
真四角の青い線の中(※1)から、5〜7m離れた場所にいる先生に向かって、ボール(※2)を投げる。
※1 一辺2mほど
※2 ハンドボールほどの大きさで、やわらかい
このような遠投の課題は他の学校で出題されることもあります。
そのため、このような試験に対応できるように、日頃から練習する必要があります。
「ボール投げ」の対策方法と指導のコツ
次に、ボール投げが上手になるための対策方法と指導をするときのポイント・コツについて解説していきます。
それは、次の5つです。
①小さいボールで練習する
②試験と同じ大きさのボールでフォームを確認する
③遠くに投げる練習をする
④コントロールをつける練習をする
⑤毎日コツコツ練習する
では、それぞれのポイントについて、指導のコツなども踏まえて詳しく見ていきましょう。
①小さいボールで練習する
小学校受験では、「1号ボール」が試験で使用されることが多いです。
1号ボールは小学校低学年用のサイズとされています。
【ボール規格一覧】
サイズ | 周囲 | 直径 | 重量 | クラス |
0号 | 49~52cm | 16cm | 200~220g | 幼児~小学校低学年用 |
1号 | 57~59cm | 18cm | 230~250g | 小学校低学年用 |
2号 | 61~63cm | 20cm | 300~320g | 小学校教材用 |
3号 | 65~67cm | 21cm | 370~390g | 小学校高学年~大人用 |
小学校受験の運動テストにおけるボールの種目も、上記のサイズのボールが使われることが多いようです。
ただ、試験の内容によって、ボールの大小が異なる可能性があります。
実際、過去に「玉入れ」の課題が出題された学校もあります。
この課題では、玉入れ用のボールを指定されたカゴに投げ入れるというテストです。
これも「ボール投げ」の一種と言えるでしょう。
また、ボール投げの練習で最初にすべきは、正しいフォームを身につけることです。
正しいフォームを身につけるときは、大きなボールよりも小さなボールで始めたほうが上手になりやすいです。
そのため、まずは幼児のお子さんでも片手で握れるゴムボールのようなものを準備しましょう。
そして、それを使って、遠くに投げる練習をしましょう。
このときのポイントは主に次の3つです。
①ボールの握り方
②肘を後ろに引く
③足の踏み込み
では、それぞれのポイントについて見ていきましょう。
①ボールの握り方
一つ目のポイントは「握り方」です。
ほとんどのお子さんは、5本の指全部を使って握ると思います。
たしかにこのように握ることで手から滑り落ちる可能性は低くなりますが、その分、投げた時のコントロールが悪くなりやすいです。
そのため、小さいボールは「4本指(小指以外)」または、野球の握り方と同じ3本指で握らせるようにしましょう。
②肘を後ろに引く
二つ目のポイントは投げる時に肘を後ろに引くことです。
ボールの飛距離は、肘を後ろに引いた分だけ伸びます。
そのため、投げるときは、なるべく肘を後ろに引いて勢いをつけてから、前に投げるように指導しましょう。
③足の踏み込み
最後は、足の踏み込みです。
一番わかりやすい例は、野球のピッチャーの投げ方です。
ピッチャーは、投げるときに、投げる手と逆の足を前に踏み出して投げています。
このポイントをお子さんにもしっかりと教えてあげましょう。
例えば、右利きあれば、右手で投げることがほとんだと思うので、投げる時に左足を前に踏み込むように伝えましょう。
最初は、違和感があったり、リズム・タイミングが掴めないかもしれませんが、毎日練習すれば徐々に上手になっていきます。
また、これができたら、より遠くに投げられるようになるため、意識して指導するようにしましょう。
②試験と同じ大きさのボールでフォームを確認
小さいボールで正しいフォームができるようになったら、次は試験と同じ大きさのボールでフォームを確認しましょう。
ボールが大きくなる分、きれいなフォームで投げることが難しくなります。
具体的には、次のような点で苦労しやすいお子さんが多いです。
・ボールが手から落ちてしまう
・投げる時にボールを後ろに引く過程で手から落ちてしまう
・ボールが重くて遠くに投げられない
など
このような点が見られたら、まずはボールの空気を少し抜いて、お子さんが軽く指でボールを掴めるようにしてあげましょう。
そして、慣れてきたら少しずつ空気を入れてあげましょう。
また、最初から空気が入った状態で練習したいのであれば、まずはボールを手のひらにのせて、その場で回って落とさないようにするなどのワークをして、バランス感覚をトレーニングしましょう。
そうすることで、ボールを後ろに引くときに落としにくくなります。
また、試験と同じサイズのボールで投げるときは、肘を後ろに引く過程でボールを落としてしまうお子さんが多いです。
もし、片手で後ろにボールを引けないようであれば、最初は両手を使いましょう。
具体的には、後ろに肘を引くときに、投げる方の手(主に利き手)と逆の手でボールの前の面を軽く押さえることです。
そうすることで、後ろに肘を引く過程でボールを落とすことが少なくなるので、最後まで投げ切ることができます。
また、ボールの持ち方に関してはいくつかのやり方があります。
一つは、手の指を大きく広げて、手のひら全体をボールにくっつける持ち方です。
二つ目は、手の指を大きく広げて、指の腹でボールを持つ持ち方です。
(それぞれの指の第一・第二関節の部分でボールを掴むイメージです。)
どちらの持ち方がいいかに関しては、お子さんの手の大きやさ指の長さなどによっても変わるため、両方試して、投げやすい方を用いるようにしましょう。
③遠くに投げる練習をする
フォームを確認できたら、次は、ボールを実際に投げる練習をしていきます。
小学校受験では、まずは遠くに投げることが必要です。
ただ、お子さんに教える時に「遠くに投げてみて」というだけでは、イメージが湧きづらいと思います。
そのため、目標とするところに線を引いたり、コーンを置いたり、お父様お母様が立ってあげるなどして、視覚的に伝わるようにしてあげるのがポイントです。
また、飛距離にこだわる場合は、メジャーなどで毎回測って、距離を記録してあげるのもよいかもしれません。
このようにして、まずは思いっきり遠くに投げる練習をしてみましょう。
また、前に投げるときに、地面にすぐにバウンドしてしまったり、ボールの軌道が低くなったりしまいやすいお子さんは多いです。
そのようなときは、前に飛ばそうとして投げ方が直線的になっている可能性が高いため、斜め上に向かって投げるイメージをもつようにアドバイスしてあげましょう。
④コントロールをつける練習をする
ある程度遠くに投げられるようになったら、次はコントロールできるようにしましょう。
コントロールする練習としては、主に二つです。
一つ目は、親御さんが前に立って、キャッチボールをする練習です。
この練習をすることで、投げるだけではなくキャッチの練習もできるため、おすすめです。
二つ目は、コーンなどを置いて、それを的として投げる練習です。
そうすることで、的あての練習にもなります。
⑤毎日コツコツ練習する
さいごは、できるだけ毎日コツコツ練習することです。
幼児期のお子さんは吸収するのも早いですが、忘れてしまうのも早いです。
よく一度できるようになってから安心して、久しぶりにやってみたら、前よりも全然できなくなってしまっていたということはよくあります。
そのため、一度できるようになったら、むしろそれをさらに強化するためにできるだけ毎日コツコツ練習するようにしましょう。
「ボールつき」の練習もきちんとすること!
「ボール投げ」の練習と同時にやっていただきたいのが「ボールつき」です。
ボールつきは、ボール投げと同じで有名私立小学校の運動テストで出題されやすい課題のひとつです。
そのため、ボール投げだけでなく、ボールつきも一緒に練習するようにしましょう。
ボールつきの練習方法に関しては、こちらの記事で詳しく解説しているため、気になる方はあわせてチェックしてみてくださいね!
さいごに
今回は、ボール投げを教える時のポイントやコツについて詳しく解説してきました。
ボール投げは、小学校受験の運動テストでよく出題される課題の一つです。
そのため、志望する学校で過去に出題されたことがある場合は、日頃からきちんと練習するようにしましょう。
また、練習する際は、今回解説したポイントやコツを踏まえた上で、根気強く練習するようにしてくださいね!
そうすることで、試験でも他の受験生よりレベルの高いパフォーマンスができると思います。
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