一昔前までは、小学校受験は、いわゆる富裕層と呼ばれるご家庭のお子さんが受験するものでしたが、近年では、私立小学校や国立小学校を目指す共働きのご家庭も増えてきています。
それほど子どもの教育への関心が高まり、少しでも良い教育を幼いうちから受けさせたいと思う親御さんが増えたのかもしれません。
また、なかには小学校受験を見据えて、言葉を覚えたり、歩けるようになったりしてくる1歳頃から学習を始めさせるご家庭もございます。
そこで今回は、1歳~2歳のお子さんが楽しくできる遊びや学習について、現役の小学校受験講師がわかりやすく解説していきます。
目次
小学校受験三つ星ガイドでは、オリジナル教材も作成・販売しております。
お父様、お母様から大変ご好評の教材として、願書作成に必須の『合格する「志望理由の書き方」』や面接対策に役立つ『合格する親の面接対策(400問以上収録)』、『合格する子どもの面接対策(全100問収録)』などがあります。
また、単元別シリーズである『小学校受験三つ星ドリル』は、分野別の家庭学習用ドリルで、各単元ごとに30問収録しています。
三つ星ドリルは、イラストも豊富で、基礎的な問題から入試レベルの問題まで用意しているため、特定の単元を強化をしたい方、苦手単元を対策したい方にピッタリです。
さらに、本商品はすべてダウンロード形式のデジタルコンテンツ(PDFデータ)となっておりますので、印刷すれば何度でも使えるほかに、カラーでもモノクロでも使用できます。
それぞれ、サンプルページをご用意しておりますので、ぜひ一度ご覧くださいね!
楽しくお子さんと関わるのがオススメ!
1歳~2歳のお子さんは、プリント学習などをするには少し早い時期です。
この時期に、適切は発達を経て、徐々に言葉を覚えていき、歩けるようになっていきます。
そのため、それらの発達を踏まえた遊びや学習をすることがとても大切になります。
また、この時期に、小学校受験を意識しすぎて、知育DVDをたくさんみせたり、大量に暗記練習をさせたりしても、まったく意味がありません。
むしろ、知育DVDなどを早いうちから与えると悪影響をもたらすことも知られています。
※知育DVDの効果についてはこちらの記事で詳しく解説されているので、気になる方は参考にしてみてください。
また、小学校受験では、物を数える問題や積み木の絵を見て、その数を数える問題、シーソーを用いた重さ比べの問題など、さまざまなものが出題されます。
ほかにも、折り紙をはさみで切って開いたときの形を問う問題や季節の知識を問う問題、お話を聞いて質問に答える「お話の記憶」なども出題されます。
さらに、箸の使い方をみる課題や洋服を畳む課題など、日々の生活能力をチェックする試験もあります。
つまり、受験とは言いつつも、中学受験や高校受験と違って単なる学力だけではなく、「総合力」を問われるのが小学校受験の最大の特徴なのです。
そのため、小学校受験を誤解して、プリントを大量に解かせるなど不適切な教育を行わないようにすることが大切です。
また、この時期は「学習」というより、お子さんと楽しく関わる中で、少しずつ能力を伸ばしていくことが大切です。
1歳~2歳のお子さんとの具体的な関わり方
では、ここからはさっそく、1歳から2歳までのお子さんが日々の生活のなかで楽しくできる遊びについて、具体的にご紹介していきたいと思います。
小学校受験の指導経験や問題分析を通して思いついたものをすべてご紹介します。
また、一気にすべてご紹介するとわかりづらくなってしまうので、【お家でできる遊び】【お外でできることや遊び】【普段の生活でできること】に分けて、それぞれご紹介していきたいと思います。
【お家でできる遊び】基本的な思考の土台を築く
小学校受験では、ひらがなや数字の読み書き、数字を用いた式の計算などが出題されることはありませんが、小学校入学後の強化学習の土台となる基礎的な思考力を問う問題が出題されます。
例えば、「お話を理解する力」だったり、数の大小、「大きい・小さい」「多い・少ない」「重い・軽い」などがあります。
また、手先の器用さを問う「巧緻性(こうちせい)」を問う課題も出題されることがあります。
この巧緻性は、すぐに身につくものではないので、日々の遊びのなかで養っていくのがポイントです。
1歳~2歳のお子さんがこれらの基礎的な思考力を鍛えるのにおすすめの遊びや学習方法は次の通りです。
◉絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせをすることで、語彙力のアップや想像力などが養われます。また、ほとんどの私立・国立小学校で出題される「お話の記憶」の対策にもなります。
※「お話の記憶」の詳細はこちらで解説しています。
◉数かぞえ
小学校受験では、絵を見て、数を数える問題が出題されやすいです。数を数える練習も早いうちから行うようにしましょう。ブロックやボールなどを使って、「1、2、3」という感じで楽しく数える遊びもオススメです。
◉新聞紙あそび
新聞紙を丸めたり、ビリビリに破いたりすることで巧緻性につながります。
また、丸めた新聞紙を小さいかごやゴミ箱に向かって投げることで、空間把握能力なども身につきやすくなります。
◉おままごと
おままごとは、特定の役を演じることで、表情や喋り方、動きを真似たり、自分をコントロールする経験をすることができます。また、他者の理解やコミュニケーションアップにもつながるのでオススメです。
◉粘土あそび
粘土をこねたり、形を作ったりすることで、指先の力や微妙な力加減を養うことができるため、小学校受験で必要な「巧緻性」につながります。
◉折り紙あそび
折り紙問題も小学校受験で頻出する問題のひとつです。実際、指示に沿って簡単な作品を作る課題が出題されることもあります。
また、折り紙を折る過程で折り目をつけたり、角を合わせ折ったりなどすることで、手先の動きを鍛えることができます。
◉神経衰弱
神経衰弱は、記憶力を使いながらカードをめくり、同じ絵を当てるゲームです。神経衰弱では、短期記憶を使うので、楽しめるだけでなく、ワーキングメモリを鍛えるのにもつながります。
◉にらめっこ
にらめっこをすることで笑わないように我慢したり、さまざまな表情を覚えることができます。親子で楽しめる遊びなのでオススメです。
◉くらべっこ
小学校受験のペーパーテストでは、「長い・短い」「多い・少ない」「重い・軽い」などを問う課題が出題されます。
そのため、おもちゃた果物などを使って、くらべっこするのもおすすめです。そうすることで、物の大小や長短などを感覚的に学ぶことができます。
【お外でできることや遊び】基礎的な運動能力を養う
小学校受験では、基礎的な運動能力をチェックする「運動テスト」もあります。
また、子どもがいくつかグループに分かれて、集団で何かのゲームをやったり、課題に取り組んだりする「集団行動」もあります。
そのため、次にご紹介するような基本的な動き集団遊びを、公園に行ったときに、ゲーム感覚でトレーニングしておくようにしましょう。
◉お散歩
お散歩は、幼いお子さんにとって「冒険」です。公園でお散歩するだけで、見たことない植物や虫、遊具など、刺激がいっぱいです。
そのなかには小学校受験でも必要になる知識がたくさんあります。実際、小学校受験では、季節ごとのお花や生き物などを問う課題が出題されることが多いです。
また、たくさん歩くことで、基礎的な体力を身につけることもできるので、積極的にお散歩に連れて行くようにしましょう。
◉階段登り
階段登りは、足腰の力や基礎的な体力を身につけるのにもおすすめです。
そのため、マンションや公園にある階段はできるだけいっしょに登ってあげるようにしましょう。
◉信号のルール・横断歩道の渡り方
小学校受験では、交通ルールや電車・バスでの基本的なマナーを問う課題が出題されることが多いです。
これらのルールは外出時に教えるのが1番オススメです。もちろん、最初から全部理解することはできないので、少しずつ丁寧に教えてあげるようにしましょう。
◉地図覚え
お散歩するときに、余裕があれば、簡単な地図を使って、それを見ながら目的地に向かって進むのも良い経験になります。
◉いろいろな歩き方の練習
公園などに行ったら、速く歩いたり、線の上をまっすぐ歩いたりなど、いろいろな歩き方を練習してみましょう。
◉かくれんぼ
かくれんぼは、隠れる場所を考えたり、逆に隠れている場所を予測したりする経験ができるのでオススメです。
また、小学校受験では、集団行動で課題に取り組む試験もあるので、公園などで他の子供達と遊ぶのも大切です。
【普段の生活でできること】自活力を徐々に身につける
小学校受験では、思考力だけでなく、自分のことは自分でできるか、いわば「自活力」を問う課題が出題されることがあります。
また、面接(口頭試問)がある学校では、日々どんなお手伝いをするのか聞かれることもあります。
そのため、日常生活のなかで、これらのことを意識して以下のことに取り組むようにしましょう。
◉あいさつ
あいさつは、小学校受験に関係なく、大切なことです。また、小学校受験でも挨拶がきちんとできるだけで、試験官の印象は全然違います。
また、あいさつは、習慣化していないとなかなか自分からできるようになりません。そのため、日々の生活から意識するようにしましょう。
ちなみに、あいさつができる子どもの育て方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はあわせてチェックしてみてくださいね!
◉お片付け
お片付けの習慣もすごく大切です。小学校受験では実際に道具を道具箱にしまったり、タオルや洋服を畳んだりする課題が出題されることもあります。
そのため、おもちゃのお片付けは、しっかりと習慣化するようにしましょう。
◉スプーンを正しく使う
小学校受験では、お箸の使い方をチェックする課題があります。ただ、1歳のお子さんにお箸は難しいです。
そのため、まずはスプーンを正しく使って、食事をする習慣を身につけさせるようにしましょう。
◉おむつがえでメリハリを
1歳のお子さんは、オムツ替えをするタイミングが何度もあると思います。そのときに「メリハリ」を教えてあげることができます。
具体的には、オムツ替えしているときは、じっとするように指示して、オムツ替えが終わったら走ったり、ジャンプしたり、自由に動き回っていいよというふうに指示を出して、メリハリをつけさせる練習です。
このような些細な工夫をして、少しずつスイッチのON/OFFを教えてあげるようにしましょう。
◉お着替え
毎日のお着替えもなるべく自分でやらせてあげるようにしましょう。
できれば、洋服を選ぶところからやらせることがベストですが、難しい場合は、洋服だけ用意して、それを自分で着させるようにしましょう。
また、靴下や靴の脱ぎ履きもなるべく自分でやらせるようにしましょう。
◉正しく座る練習
小学校受験のペーパーテストは、座って行われます。そのため、日頃から正しい姿勢で座らせる練習も大切です。
また、このとき、足が地面につく小さい椅子を一つ用意するのがポイントです。
◉簡単なお手伝い
小学校受験において、面接(口頭試問)がある学校では、日々どんなお手伝いをするのか聞かれることがあるため、ご飯の準備やお風呂掃除、洗濯物を畳むなど、簡単なお手伝いをさせてあげるようにしましょう。
さいごに
今回は、1歳~2歳のお子さんでもできる遊びや学習について解説してきました。
受験対策と聞くと、ほとんどの方が、プリント学習ばかり考えてしまいますが、そんなことはありません。
現に、小学校受験のペーパーテストでは、思考力だけでなく、交通ルールやマナーなどを問う常識問題や季節ごとの花を問う知識問題が出題されています。
また、洋服を畳んだり、箸を使ったりする課題なども出題されます。
そのため、総合力がとても大切なのです。
そして、日常生活のどの場面を切り取っても、見方を変えれば小学校受験の対策になるのです。
そのため、今から小学校受験を考えている親御さんは、ぜひ今回解説したことを参考にお子さんとの関わり方を考えてみてくださいね!
また、2歳~3歳、年少のお子さんでもできる小学校受験を見据えた楽しい遊びや学習に関しては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてくださいね!
小学校受験三つ星ガイドでは、オリジナル教材も作成・販売しております。
お父様、お母様から大変ご好評の教材として、願書作成に必須の『合格する「志望理由の書き方」』や面接対策に役立つ『合格する親の面接対策(400問以上収録)』、『合格する子どもの面接対策(全100問収録)』などがあります。
また、単元別シリーズである『小学校受験三つ星ドリル』は、分野別の家庭学習用ドリルで、各単元ごとに30問収録しています。
三つ星ドリルは、イラストも豊富で、基礎的な問題から入試レベルの問題まで用意しているため、特定の単元を強化をしたい方、苦手単元を対策したい方にピッタリです。
さらに、本商品はすべてダウンロード形式のデジタルコンテンツ(PDFデータ)となっておりますので、印刷すれば何度でも使えるほかに、カラーでもモノクロでも使用できます。
それぞれ、サンプルページをご用意しておりますので、ぜひ一度ご覧くださいね!